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日本のAI著作権法:第30条の4と学習データ

執筆者 Recording Law 編集チーム15 分で読了
日本のAI著作権法:第30条の4と学習データ

よくある質問

著作権のある日本の書籍や記事を、許諾なしにAIモデルの学習に利用できますか。

利用者に保護された表現を享受させることではなく、データ解析を目的とする場合には、著作権法第30条の4により一般に許容されます。営利・非営利のいずれの主体も対象となります。ライセンス提供されているデータベースを組織的に複製し、原著作物の代替となるような態様で利用するなど、権利者を不当に害する利用については、ただし書きが適用されます。

海賊版サイトのコンテンツにも日本のAI学習の権利制限は適用されますか。

適用されません。文化庁の2024年ガイダンスは、既知の海賊版サイトから学習データを取得する行為は、その後の学習利用自体は要件を満たし得るものであっても、第30条の4の権利制限の対象外であることを明確にしています。違法に配布されたコンテンツを学習データとして利用することには、著作権侵害のリスクが伴います。

日本でAIシステムが生成したコンテンツの著作権は誰が有しますか。

純粋にAIのみによって生成されたコンテンツについては、誰も著作権を有しません。日本の著作権法は、著作物の表現上の選択について人間の創作的関与があることを要求します。人間がAIを操作し、成果物の形式や内容について実質的な創作上の判断を行った場合には、その人間がその関与部分について著作権を有し得ます。現在の法理のもとでは、単にプロンプトやアイデアを提供するだけでは著作者性を認めるには不十分です。

特定の著者の作品を用いてモデルをファインチューニングすることは日本で合法ですか。

目的によります。文化庁の2024年ガイダンスは、利用者に保護された表現を享受させることを意図して、それを再現または提示するファインチューニングやRAGは、第30条の4の対象外であるとしています。特定の著者の作風を再現し、商用展開することを目的としたファインチューニングは、セーフハーバーの対象外とされ、許諾が必要となる可能性が高いといえます。

アルゴリズムやプログラム言語は日本の著作権法で保護されますか。

保護されません。著作権法第10条第3項は、それらを実装するソフトウェア自体が保護される場合であっても、プログラム言語、規約、およびアルゴリズムを著作権保護の対象から明示的に除外しています。同じアルゴリズムを用いて独自に作成されたプログラムは著作権侵害となりません。これは、抽象的なアイデアや数学的方法を著作権の対象外とする米国の法理とも一致しています。

日本のAI著作権制度はEUの制度とどのように異なりますか。

EUのデジタル単一市場指令に基づくテキスト・データマイニング(TDM)の例外は、研究目的のTDMを認める一方で、権利者が商業目的のTDMをオプトアウトすることを認めています。日本の第30条の4にはオプトアウトの仕組みがなく、商用利用も原則として対象に含まれます。そのため、商用のAI開発企業にとって、日本の制度はEUの制度よりも大幅に緩やかなものとなっています。ただし、いずれの制度も純粋にAIのみによって生成された成果物への著作権付与は認めていません。

出典と参考資料

  1. 日本の著作権法 第30条の4(文化庁、2018年改正概要)(bunka.go.jp)
  2. 文化庁「AIと著作権に関する考え方」(2024年)(bunka.go.jp)
  3. 日本の著作権法 第10条(CRIC英訳)(cric.or.jp)
  4. 文化庁、日本における著作権制度の概要(bunka.go.jp)
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